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2009-11-18 19:53

極寒の温もり


オールキャラでレイユリ。ちょっとギャグっぽいです。


「おっさん死ぬかも」




ガタガタと小刻みに体を揺らし、本当に今にも死にそうなほど、大げさに頬をげっそりとさせて見せているのは言わずもがな、レイヴンである。



場所はゾフェル氷刃海。



一行がここへ来るのは二度目だが、この、まさに身を切るような酷寒はやはり慣れるものではない。
下はしっかりとした氷だが、その上に雪がつもっているので足場が良いとも言えない環境なのだ。
途切れない吹雪で視界も悪い。
とは言えこればかりは自然のもたらすもの、どうしようもない事なので、皆はレイヴンの言葉を暗黙の了解で当然のように無視する。



しかし遂に死ぬとまで言い出したおっさんに対し、ジュディスが彼女なりの精一杯の優しさを見せた。




「それについては心配しなくても大丈夫よおじさま、ライフボトルならほらこんなに」
「ほ・・・・・・方向性がちがーう!」




刺々しく凍った空気をレイヴンの叫びが貫いた。



方向性が違うらしいジュディスは「あら、我が侭さんねぇ」と薄く笑う。



ちなみにそう言うジュディスは、ファーの付いた暖かそうなロングコートを、これ見よがしに羽織っている。
ゾフェル氷刃海に入る前、カプワ・ノールで準備をしていた時に、流石に水着同然の格好では体に毒だろうと、ユーリが買って来たものだ。



その結果他のパーティから(主に嫉妬から来る)不満の声が多数上がり、結局全員分のマフラーも買うハメになり、資金不足でしばらく安宿泊まりだったことはまた別の話である。



ともかくそんな事もあり、レイヴンもマフラーは巻いているのだが、足し程度にしかならなかったらしい。
おっさんくさい、無駄な罵倒やうめき声が付随されたくしゃみが、定期的に辺りに響く。
うっとうしいことこの上ない。



そんなレイヴンに、ロングマフラーをなびかせた天才魔導士が後ろから近づいた。



その口元には意地悪そうな笑みが浮かんでいる。




「そんなに寒いんなら、暖めてあげましょうか」
「・・・・・・・・・・・・・・・」




にまにまと効果音でもつきそうな笑顔で言うリタに、レイヴンがうな垂れながら、涙に濡れた声で拒否の意を表す。
リタの、この手の質問にうっかり是とでも答えようものなら、この大魔導士は嬉々としてファイアボールを詠唱しだすであろう事は目に見えているからだ。



考えを読まれたリタは途端に笑顔を消し、「ちッ!」と痛烈な舌打ちを鳴らした。



最近この可憐な学者はレイヴン(とカロル)を痛めつけることに娯楽を見つけている気がする。
隣を歩いていたエステルが、「舌打ちはいけませんよ」とリタを少々ずれた視点から咎めた。




「はぁ。さっきからうるせぇな・・・・・・そんなに寒いんだったら、俺のマフラーも巻いとくか?」




エステルまでが加わって騒ぎ出した後方に、我関せずを通していたユーリがとうとう振り向いた。



どんなに文句を言っても、その面倒見の良さで最後は何だかんだと助けてしまうのがユーリである。
疑問系にしながらも、自分で巻いていた黒のロングマフラーを既に首から外していた。




「そんな、寒いのはみんな同じなんですから、ユーリが外すことないですよ!」
「そうよ! おっさんなんて乾布摩擦でもさせときゃいいんだから!」
「あら、いいわねそれ」
「ユーリが風邪ひいたら大変だもん! 巻いてなよユーリ!」




皆が口々にユーリを制止(と同時にレイヴンへの非難)を口にすると、ユーリは苦笑しつつカロルの頭をぽんぽんと撫でた。




「心配しなくても、俺はそんなにやわじゃねぇよ。寒いのは嫌いじゃないしな。―――ほらおっさん」




へ、と思わぬ展開に目を丸くしていたレイヴンに、ユーリがマフラーをくるくると巻きつける。
鼻先まで迫ったユーリの白い肌に、レイヴンが予期せず顔を赤くした。
ジュディスの目が剣呑に細められる。




「ああ・・・・・・おっさん感激・・・・・・ユーリの温もりがまだ残ってるから暖かいわぁ」
「いちいち気色の悪い言い方をするな」




咎めながらも、ユーリの表情は笑んでいる。
レイヴンは本能の赴くままにユーリを抱きしめ、背後の殺気を一心に背負った。






ああもうホント、ユーリ可愛い!
引っ付くな!
















―――――――――――――――
フレンとパティ、本当出し辛い・・・・・・
私がやったのはPS3の筈なのに・・・・・(汗

ゾフェルではユーリが気を利かしてコートとかマフラーとか買って来てくれてて、
みんなできゅんきゅんしてたに違いない!
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